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603 赤べこ
赤べこは伝説の一種で、福島県に次のような話が伝わっています。
9世紀初頭の頃。
徳一大師が会津の柳津に福満虚空蔵堂を建立しようとしたとき、1頭のたくましい赤牛が現れて用材運搬を助け、堂が完成するや石と化して寺に永く仕えたといいます。
また赤牛が出現したのは1611年の慶長三陸地震後、虚空蔵堂再建工事の際とも伝えられています。
寺の境内にはこの伝説にちなんだ「撫で牛」の像があり、これを撫でると運が開けるといわれています。
その後。
鶴ヶ城主の蒲生氏郷が殖産振興の一環として、この伝説に基づく張り子の牛の玩具を作らせたのが「赤べこ」の由来だと伝わっています。
この赤べこ。
体を張って人々のために働いています。
・体を張って=張り子
・体を張って=命がけで
・徳一大師(とくいつたいし・奈良時代から平安時代前期にかけての法相宗の僧)
・蒲生氏郷(がもううじさと・戦国時代から安土桃山時代にかけての武将)