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592 小豆洗い狸
小豆洗い狸は妖怪「小豆洗い」の類いのものだといわれ、これは日本各地に次のような話が伝わっています。
鳥取県米子市の伝承。
体の大きな狸が、かつての西伯郡大高村にあった松の木に棲んでいて、小豆をシャラシャラ洗うような音を立てたといいます。
香川県丸亀市の伝承。
井戸端や小川でジャクジャクと小豆を洗う音をさせたといいます。
長野県の伝承。
ある晩。
老人が町へ行く途中、小僧が前を歩いていたので声をかけたところ、小僧は返事をせずにそのまま消えてしまいました。
町からの帰り。
老人が小僧の消えたあたりを通ると、小豆を洗うような音が聞こえ、そこには先ほどの小僧がいたといいます。
この小豆洗い狸。
コマメに出没したのでした。
・コマメ=小豆=小まめ
・小まめ=骨惜しみせず




