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妖怪百物語  作者: keikato
561/923

561 人喰老婆

 人喰老婆は江戸時代中期、西村市郎右衛門著『新御伽婢子』に次のような話があります。

 京の大宮丹波屋町で米穀を商う六右衛門は夜遅くになって、室町錦小路に住む親しい人の病気見舞いに出かけました。

 堀川の橋を渡ろうとしたとき、六右衛門の前に何者かがよろめき出ました。

 それは真っ白な髪を振り乱した80歳ばかりの老婆で、青く光り輝く眼、耳まで裂けた大口を開き、大手を広げて迫ってきました。

 六右衛門はとっさに木履(ぼくり)を脱ぎ捨て、傘をうちやり夢中で逃げました。

 その晩は見舞い先で泊まり、翌朝、帰りに堀川の辻を通りかかると、木履は噛み砕かれ、傘も引き裂かれていました。

 この人喰老婆、木履に噛みつきます。

 ボクリ。


・ボクリ=木履(ぼくり)=ぱくり

木履(ぼくり)=下駄

・西村市郎右衛門(にしむらいちろうえもん・生年未詳~1696?・俳人、浮世草子作者)

・『新御伽婢子』(しんおとぎぼうこ・1683成立・浮世草子)


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