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558 アカナー
アカナーは月の精です。
名前のアカナーは「赤い顔」という意味で、沖縄県に次のような話が伝わっています。
その昔。
アカナーと猿が一緒に住む庭に、一本の桃の木がありました。
桃を独り占めしたい猿は、負けた方が死ぬという条件で桃を売る競争をしかけました。
猿にだまされたアカナーは青い実を売らされ、猿は熟れた実を売りました。
夜になった帰り道。
アカナーは夜空の月を見上げ、涙ながらに「お月様、助けてください」と祈りました。
するとお月様が空から籠を下ろし、天の世界へと引き上げてくれました。
それ以来。
アカナーは月で暮らすようになったといいます。
このアカナー。
その晩。
運よく月に助けられ、ツキがありました。
・ツキ=月=つき(幸運)




