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525 金色姫
金色姫は養蚕の神です。
茨城県つくば市に伝承があり、この地の蚕影山神社に次のような話が伝わっています。
その昔。
常陸国豊浦の浜に美しい娘を乗せた丸木船が流れ着き、それを見つけた権太夫という者が家に連れ帰りました。
権太夫は娘を我が子のように育てました。
5年後のある日。
娘は権太夫に養蚕を教え、自分の生い立ちを話しました。
「私はインド大王の娘で、継母に虐められていたところを、父が桑の木で造った丸木船に乗せて海に流したのです。私の命も今宵限り。蚕という虫に生まれ変わり、四度の衣を脱ぎ捨てますが、それは継母にいじめられた悩みの衣です」
この金色姫。
カイコして蚕になったといいます。
・カイコ=蚕=回顧




