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521 マブイ
マブイは霊魂の一種です。
沖縄県に伝承があり、人間はマブイと身体で成り立っており、マブイは霊魂、身体はマブイの容器だと考えられていました。
マブイは遊離性があり、遊離したときには霊媒師を呼んでマブイ寄せをしてもらいました。
マブイが帰ってこない場合、長くて3年、早ければ数日のうちに死ぬといわれ、また人にはマブイは10個あり、そのうち7個以上が失われると死に至るといわれました。
一晩にマブイ全部が遊離した男がいました。
男はすぐに霊媒師を呼んで、マブイ寄せをしてもらいました。
一つ寄ってきました。
それは自分のマブイとはちがう若い女のマブイでした。
「マブイなあ」
それからは一つも寄ってきません。
「マズイなあ」
・マブイ=容貌が美しい
・マズイ=ぐあいが悪い、不都合である




