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妖怪百物語  作者: keikato
515/922

515 異獣



 異獣は謎の生物で、江戸時代後期、鈴木牧之の『北越雪譜』に次のような話があります。

 ある年。

 越後国の某問屋が遠方の得意先に商品を卸すことになり、その用を命じられた竹助という男が荷物を背負って使いに出ました。

 その道中。

 竹助が弁当を食べていたところ、人間ほどの大きさの猿のような獣が現れて、弁当を食べたいそぶりをするので、竹助が握り飯を分けてやると、獣は嬉しそうに食べ始めました。

 その後。

 獣は重い荷物を背負い、目的地の近くまで運んでくれました。

――飯を食った礼とはいえ何ともありがたいことだ。

 竹助が荷物を下すよう伝えると、獣は荷物を背負ったまま山の中へと駆け去っていきました。

 そうは問屋が卸しませんでした。


・そうは問屋が卸さない=物事はそう簡単には運ばない

・鈴木牧之(すずきぼくし・1770~1842・商人、随筆家)

・『北越雪譜』(ほくえつせっぷ・風俗・暮らし産業・奇譚)

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― 新着の感想 ―
[一言] 握り飯を分けてあげたのに荷物を持ち逃げしてしまうとは、この異獣は豪快に恩を仇で返してきましたね。 「北越雪譜」に記録されている縮の納期間近な機織職人の娘を助けた異獣と比べますと、こっちの異獣…
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