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512 油取り
油取りは隠し神の一種です。
これは東北地方に伝わる俗信で、油取りと呼ばれるものが子供を誘拐し、その体を絞って油を取るといわれました。
明治維新の頃。
遠野地方の村々で油取りの噂が広まって大パニックが起こり、子供が誘拐されたなどという風説が毎日のように流れました。
その頃。
川原に小屋の跡が見つかり、そこにはハサミという鉄串が残されていたのですが、油取りはこの鉄串を使って油を絞っていたのではないかといわれました。
そこで女子供は外を出歩かないよう、村々の長はただちに外出禁止令を出しました。
ですがいつの時代でも、約束を守らず遊び歩く子供はいて、そんな子供らは家に帰ると、親からこってり油を絞られたといいます。
・油を絞る=油取り
・油を絞られる=過ちや失敗を厳しく責められる




