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妖怪百物語  作者: keikato
51/920

51 海月の火の玉

 海月くらげの火の玉は怪火の一種です。

 加賀国の海岸に現れたといい、江戸時代中期、堀麦水の『三州奇談』に次のような話があります。

 元文年間のある夜。

 某武士が全昌寺の裏手を歩いていると、生暖かい風とともに火の玉が飛んできたので、それをとっさに斬りつけました。

 火の玉が二つに割れます。

 するとネバネバとしたものが飛び散り、赤い松脂(まつやに)のようなものが顔に貼りつきました。

 驚いて目を見開くと、松脂を透かして周囲を見通すことができました。

 翌朝。

 土地の古老が教えてくれました。

「そいつはくらげの火というものだ」

「あのとき生暖かい風が……。あの火の玉はいったいどこから?」

「くらげだ、ミナミに決まっておる」



・ミナミ=みな身=南

・堀麦水(ほりばくすい・1718~1783・俳人)

『三州奇談』(さんしゆうきだん・加賀・能登・越中の奇談・怪談・珍談を集めたもの)


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― 新着の感想 ―
[良い点] できるだけ全部読んでから感想を書かせて頂こうと思ったのですが、本当に精力的に、沢山のエピソードを執筆しておられますね。 そして、言葉遊びに留まらない圧倒的なユーモアセンス! もう、失礼でな…
[一言] 海月の火の玉。 子どもたちが歌う妖怪しりとりの歌で、名前は存じておりましたが、まさかこういうものだったとは…… 顔に貼りつかれるのはいやですね。
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