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妖怪百物語  作者: keikato
503/926

503 黒手

 黒手という妖怪がおります。

 石川県金沢市に伝承があり、江戸時代中期、浅香山井の随筆『四不語録』に次のような話があります。

 慶長年間のこと。

 ある男の家の厠で、女房が何者かに尻をなでられるということがあり、男が待ちかまえていると、厠に毛むくじゃらの手が現れました。

 男は刀で手を切り落としました。

 数日後。

 旅の僧が訪れ、「これは我が手だ!」と言って、その手を自分の腕につけようとしました。

 ですが元どおりにはなりません。

 すると僧は9尺もの化け物に化身し、(ふすま)のようなものを舞わせました。

 男は気を失い、やがて気がつくと、化け物も手も消えていました。

 その後、化け物は二度と現れませんでした。

 手が切れました。


・手が切れる=縁が切れる

・9尺=2.7メートル

・慶長年間=1596年~1615年

・浅香山井(詳細不詳)

・『四不語録』(しふごろく・随筆)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 厠の中に現れる怪しい手を刀で一刀両断するとは、この男性はなかなか勇気がありますね。 それにしても、トイレ中の女性のお尻を撫でるとは実に好色な怪異ですね。 こんな人外の変質者と手を切る事が出…
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