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妖怪百物語  作者: keikato
49/921

49 小雨坊

 小雨坊という妖怪がおります。

 鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』に描かれてあり、山田野理夫の著書『東北怪談の旅』では山間の街道筋に現れ、旅人にまずあわを求め、粟がなければ小銭をねだったとあります。

 ある雨の日。

 小雨坊は峠で、人が通りかかるのを辛抱強く待っていました。

 旅人らしき男が峠道を上ってきます。

 小雨坊はさっそく男に粟をねだりました。

「粟を持っておればくださらぬか?」

「粟餅ならあるが」

 男が荷の包みから粟餅を取り出しました。

「ではありがたく……あっ!」

 ころころころ……。

 粟餅は小雨坊の手からこぼれて転がり、道端の水たまりの中に落ちてようやく止まりました。

 苦労の末の粟餅。

 水のアワとなりました。




・アワ=粟=泡

・水の泡=努力や苦心がすべて無駄になる

・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)

・『今昔百鬼拾遺』(こんじゃくひゃっきしゅうい)

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