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妖怪百物語  作者: keikato
468/924

468 空穂舟

 空穂舟うつぼぶねは江戸時代後期、橘南谿の「東遊記」に次のような話があります。

 あるとき。

 越後の今町の海岸に白木の箱作りの舟、空穂舟が流れ着きました。

 海辺の者たちが集まって中を見ると、歳の頃16、7の少女が座っていて、そばには水が入った瓶と、菓子が入った箱がありました。

 誰がどこから流したのかわからないでいると、少女が言いました。

「流されてから4度こうして流れ着きましたが、そのたびに突き流されてしまいました。どうかここに上げてください」

 ところが海辺の人々は非情で、さらに災難に遭うことを恐れ、早々に舟を沖へ突きやると、みな逃げ帰ったといいます。

 この空穂舟。

 助け舟が出されることはありませんでした。


・助け舟を出す=人が困っているときに助ける

・橘南谿(たちばななんけい・1753~1805・医者)

・『東遊記』(とうゆうき・紀行、随筆)


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