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456 お菊の墓
お菊の墓は伝説の一種で、群馬県に次のような話が伝わっています。
小幡の殿様が侍女の菊ばかりを寵愛したので他の侍女や奥方の恨みを買い、菊が殿様に差し上げる御飯に針を入れられました。
殿様は怒って菊を責め、蛇の入った樽に入れ、宝積寺の池に投げ込みました。
小柏源介という侍が悲鳴を聞いて樽を開けると瀕死の菊が出てきて、「このご恩に、お家に蛇の害はないようにいたします」と言って事切れましたが、お菊の母が「お菊が無実なら芽が出ろ」と池の淵に炒り胡麻をまくと、芽が出ました。
その後。
お菊の祟りで小幡家に不幸が続いたので、宝積寺にお菊の墓を建てて供養しました。
このお菊の墓。
ゴマを焚いて供養したといいます。
・ゴマ=胡麻=護摩
・護摩=火中に供物を投じ、ついで護摩木を投じて祈願する祈祷方法
 




