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449 ピーシャーヤナムン
ピーシャーヤナムンという妖怪がおります。
これは沖縄県に伝承があり、ピーシャーとは沖縄県北部の方言で山羊のことで、これは山羊の幽霊であるといわれています。
昭和10年に発刊された佐藤清明著「現行全国妖怪事典」にその名があるのですが、同書に具体的な話や伝承の例は記されていません。
なお沖縄県山原地方では、野原で山羊の匂いがするときは、そこに山羊の幽霊がいるという俗信がありました。
ある晩。
某男が夜道を歩いていると山羊の匂いが漂ってきました。
その匂いは四方から近づいてきて、山羊は数匹いるようでした。
山羊が鳴く声もします。
このピーシャーヤナムン。
それぞればらばらに、メーメー集まってきていたのでした。
・メーメ=ー=メーメー=銘銘
・銘銘=ひとりひとり、おのおの
・佐藤清明(さとうきよあき・1905~1998・博物学者)
・『現行全国妖怪事典』(げんこうぜんこくようかいじてん・妖怪事典)




