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444 鳥打坂の怪異
鳥打坂の怪異は、江戸時代後期の怪談書『聖城怪談録』に次のような話があります。
あるとき。
竹内某が鳥打坂の山道を歩いていると、向こうから奇妙なものがやってきました。
それは人の形はなく、足だけが宙をふらふらと歩いていました。
竹内某が怪しく思って行方を見送るうち、足はやがて一つの谷間に入っていきました。
それからまもなく、4、5人の男が鉦鼓を打ち鳴らして人捜しにやってきたので、竹内某はその者らに足が入った谷を教えました。
その後。
尋ね人のばらばら死体が谷底で、鉦鼓を持った者らによって発見されました。
この鳥打坂の怪異。
件の足は尋ね人のものに相違ありませんでした。
人捜しにショウコがありました。
・ショウコ=鉦鼓=証拠
・『聖城怪談録』(大聖寺藩の八代藩主前田利考編さん・怪談集)
 




