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434 イシャトゥ
イシャトゥという妖怪がおります。
名前は「岩の下に住む」という意味で、鹿児島県大島郡与論町に次のような話が伝わっています。
イシャトゥは子供ほどの背丈で一本足で歩き、船の先端やかがり火にとまるといい、また火になって飛ぶこともあるといわれています。
また漁師が釣った魚の目を抜き取るといった悪さをしましたが、人はだまさなかったといいます。
ただし、からかうと仕返しに来たといい、そんなときは海が荒れて大風が吹きました。
イシャトゥが船の先端にとまっているときは、それに気づかないふりをして船の後方を櫂で叩くと、船から飛び降りて泳いで逃げていきました。
このイシャトゥ。
目を盗み陰で悪さをしていました。
・目を盗み=目を抜き取る
・目を盗んで=人に見つからないようにこっそりと




