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妖怪百物語  作者: keikato
43/922

43 お歯黒べったり

 お歯黒べったりという妖怪がおります。

 江戸時代後期、桃山人の怪談集『絵本百物語』にあり、これには顔に目と鼻がなく、大きな口にお歯黒をつけた女が描かれています。

 ある夜。

 弥太郎という男が神社の前を通りかかると、美しげな女が本殿に向かって伏し拝んでいました。

 弥太郎は気になって声をかけました。

「ちょっと……」

 女が振り向きます。

「ぎゃっ!」

 その女の顔には目と鼻がありませんでした。

「けらけら……」

 女が高笑いします。

「あんた、も、もしかしておミツさんでは?」

 弥太郎は女の口元を指さしてたずねました。

「あら、目と鼻がないのに何でわかったのよ?」

「そのお歯黒だよ」

「まあ!」

「それで、おおかた目鼻がついたんだ」


・目鼻がつく=おおよその見通しが立つ

・桃山人(とうさんじん・1804~1844・戯作者)

・『絵本百物語』(1841年刊行・奇談集)

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― 新着の感想 ―
[良い点] おはぐろで目鼻がついた……う、うまい!! 山田君、座布団三枚!
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