表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪百物語  作者: keikato
42/922

42 泥田坊

 泥田坊という妖怪がおります。

 江戸時代中期、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』にあり、目は片方、手の指は3本、泥田どろたから上半身のみを出している姿で描かれています。

 ある北国の地。

 そこに一人のおきながいたのですが、子孫のためにと多くの田を買い集めていました。

 翁の死後。

 一人息子は遊びほうけ、しまいには田を売り払ってしまいます。

 そんな道楽息子のことを怨み、翁の怨念は泥田坊に化身しました。

 夜な夜な、泥田に上半身を出しては、

「田を返せー、田を返せー」

 泥田坊は絶叫して息子をののしりました。

 息子も黙ってはいません。

 泥田に腰までつかって向かっていきます。

「田を返せー」

「黙れー」

 それはまさに泥仕合でした。


・泥仕合=泥田=互いに醜く争うこと

・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)

・『今昔百鬼拾遺』(こんじゃくひゃっきしゅうい)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 確かに田んぼを売り払ったお金は一人息子の懐を肥やしましたが、そういう使い方はお父さんとしては不本意だったのでしょうね。 戦後の日本では長らく減反政策が施行されていましたが、こうした御時世だ…
[一言] 息子強い!(笑) いくら妖怪でも、やっぱり父ちゃんだから…… 怖くはないんでしょうね(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ