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411 海から上がった怪物
海から上がった怪物は異獣の一種です。
これは江戸時代中期、本島知辰の見聞雑録『月堂見聞集』に次のような話が記されています。
享保11年2月25日。
奇妙な生物の死骸が京都舞鶴の浜辺に打ち上がりました。
首は鳩に似て長さ30センチほど、腹は赤白の斑模様で、大きなヒレを持ち、歯は喉の部分まで生えていました。
ヒレの甲は唐傘の骨のようで、筋がやや高くタバコの葉に似て、胴の長さは150センチ、幅は90センチ、ヒレを広げると180センチほどありました。
この怪物の死体が上がる前夜には、海中から凄まじい呻き声が響き、その声は1里四方にとどろいたといいます。
この怪物のヒレを見て、みな言いました。
「これってアシカ?」
・アシカ=脚か=アシカ
・本島知辰(詳細不明)
・『月堂見聞集』(げつどうけんもんしゅう・見聞雑録)




