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410 三目八面
三目八面という妖怪がおります。
高知市に伝承があり、これは申山という山に棲む三つの目と八つの顔を持った化け物で、土佐山村から隣りの森村に行く通行人を襲っては喰っていたといいます。
あるとき。
土佐山村の豪族、注連太夫という者が三目八面の話を聞きつけ、山鎮めの御幣を立て、申山に火を放ちました。
すると三目八面は暴れに暴れた末、申山から逃れようと、三つの目と八つの顔で逃げ道を探しました。
ところが、どの方向に向かっても山鎮めの御幣が立っていて、三目八面は徐々に行く手をふさがれ、しまいには炎に焼かれながら死んでいきました。
三目八面。
最後は八方塞がりでした。
・八方=八面
・八方塞がり=方途がなく活路が見いだせない状況




