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405 ウグメ1
ウグメという妖怪がおります。
これは日本各地に様々な伝承があり、ウグメは死んだ妊婦の妖怪「産女」の別称だといわれています。
またウグメは美しい女の姿をしており、赤ちゃんのような声を出して、男を誘惑して騙すこともあったといい、江戸時代前期、作者不詳の怪談集『諸国百物語』にある「ウグメの化物の事」に次のような話があります。
その昔。
京の都の林に夜な夜な「ウグメ」という化け物が現れて、赤ちゃんのような声で泣きました。
ある夜。
ある者が正体を見極めようと刀で斬り落としたところ、それは五位鷺で、夜烏とも呼ばれる夜行性の大きな鳥でした。
この五位鷺。
夜はコイサギとなったのでした。
・コイサギ=恋詐欺=五位鷺
・『諸国百物語』(作者不詳・1677年刊行の怪談集)
 




