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妖怪百物語  作者: keikato
402/923

402 石妖

 石妖という妖怪がおります。

 静岡県に伝承があり、江戸時代の本草学者、佐藤成裕の『中陵漫録』に次のような話があります。

 その昔。

 伊豆国の石切り場に一人の女が現れ、「按摩あんまをしてさしあげましょう」と言って、石工に近づいてきました。

 按摩をして石工が寝入ると、女は次々と按摩をしていき、石工たちは寝入ってしまいました。

 あと一人となった石工は女を妖怪だと考え、こっそり石切り場を逃げ出しました。

 半刻後。

 石工が猟師を連れ帰って鉄砲で撃つと、女は石となって砕け散り、目を覚ました石工らの背中には、みな石で引っ掻いたような傷がありました。

「その傷、石の妖怪に按摩をされたときに引っ掻かれたんだ」

「あんまー」


・あんまー=あれまあー=按摩あんま

・佐藤中陵(さとうちゅうりょう・1762~1848・本草学者)

・『中陵漫録』(ちゅうりょうまんろく・雑筆)


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― 新着の感想 ―
[一言] 石の妖怪の按摩は気持ちよかったのでしょうか。 ぐりぐりと、ツボをおしてくれたのですかね? 肩こりには、うらやましい話ですけど…。 でも、その代償として、傷だらけに。 アンマりでしたね。
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