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妖怪百物語  作者: keikato
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4 八百比丘尼

 八百比丘尼やおびくには北海道と九州南部以南を除く日本各地に伝承があり、比丘尼とは出家した女性の修行者のことをいいます。

 飛鳥時代。

 ある男が知人の屋敷に招待され、帰り際に土産をもらい受けて持ち帰りました。

 土産は人魚の肉で、それを知らずに食べた男の娘は不老長寿を得ました。

 その後。

 娘は長寿がゆえに、幾人もの夫と死別し、まわりのみなが次々と死んでいきました。

 世を儚んだ娘は比丘尼となり、人目を忍んで全国各地を巡業しました。

 この八百比丘尼。

 最後は若狭の空印寺くういんじにたどり着き、寺のそばにあった洞窟にこもって即身成仏となりました。

 このとき八百歳でした。

 八百比丘尼は儚くシガナイ女でありました。


・シガナイ=しがない=死がない

・即身成仏=人間がこの世で生まれた肉体のまま仏になる


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― 新着の感想 ―
人魚はたしかに神秘的なものがありますよね。不老長寿は凄いですが、自分だけでは切なくなりますね。今回もとても印象的なエピソードを読ませていただき、ありがとうございます。
『人魚の肉? どこにあるんだい?』 『魚籠に入ってるよ』 お粗末さまでしたm(_ _)m
日本各地に類似の伝説があるというのが興味深いですね。 肉ではないのですが、和歌山には人魚のミイラを祀っている御寺が御座いますね。 八百比丘尼と聞きますと、私としては手塚治虫先生の「火の鳥」の異形偏を思…
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