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385 身の毛立
身の毛立という妖怪がおります。
これは江戸時代の多くの妖怪絵巻にあり、男が口をすぼめて立っている姿で描かれ、上半身に短い針のような逆立った体毛がたくさん生えています。
ちなみに「身の毛が立つ」とは、恐怖などで体の毛が立つ様子をいい、この妖怪もそうした状況にあるといわれています。
身の毛立は『化物尽絵巻』『化物絵巻』『百物語化絵絵巻』など複数にありますが解説文などはなく、どのようなことをする妖怪なのかは、どの絵巻物にも示されていないため不明です。
ただ、どの絵も体毛が多く描かれているにもかかわらず、なぜか髪の毛は一本もなくハゲ頭です。
この身の毛立。
それに関する不満は毛頭ないのでした。
・毛頭ない=ハゲ頭
・毛頭ない=まったくない
・『化物尽くし絵巻』(作者不詳・妖怪絵巻物)
・『化物絵巻』(作者不詳・妖怪絵巻物)
・『百物語化絵絵巻』(作者不詳・妖怪絵巻物)




