364/924
364 ミズゴロウ
ミズゴロウは蝦蟇の一種で、宮城県気仙沼市に次のような話が伝わっています。
その昔。
養蚕で栄えた家があったのですが、この家はある年を境に急に没落し始めました。
ある日。
家の者らが部屋で昼寝をしていると、蚕が5、6匹ずつ目の上を飛んでいき、またしばらくすると同じように飛んでいきました。
家人が不思議に思って後を追っていくと、家の裏の竹藪に大きな蝦蟇がいて、舌を伸ばして蚕を食べていました。
家人はその蝦蟇を退治し、それにミズゴロウと名付けて弔いました。
その後。
ミズゴロウを祀るようになって、その家は再び栄えるようになったといいます。
このミズゴロウ。
殺されたというのにケロッとしていました。
・ケロッ=蝦蟇=けろり
・けろり=何事もなかったように平然としている




