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妖怪百物語  作者: keikato
344/925

344 鐙口

 鐙口あぶみくちという妖怪がおります。

 江戸時代中期、鳥山石燕の妖怪画集『百器徒然袋』にあり、鐙は馬具の一種で、馬に乗っていた武将が戦死したことで、鐙だけが野に残って付喪神となったものでした。

 これは鐙に口と目ができ、帰ってこない主をいつまでも待ち続けているといいます。

 ある戦場跡地。

 その鐙口はもう何百年と、敵の刃に倒れた亡き武将の帰りを待っていました。

 本体の鐙は腐ってもう形はありません。

 そこへ妖狐ようこが現れました。

「なあ、まだ待ってるのか?」

「ああ」

 鐙口は実際のところ、いいかげん待ち飽きて、うんざりしていたのですが……。

 この鐙口。

 たとえ口が腐っても、待ち飽きているとは言えませんでした。


・口が腐っても=鐙は腐っても

・口が腐っても=けっして他言しないという決意を示す

・鐙=騎乗時に足を乗せる馬具の一種

・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)

・『百器徒然袋』(ひゃっきつれづれぶくろ)

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