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34 水釈様
水釈様は宮崎県の高千穂の地を守っているといわれる蛇の精霊です。
その昔。
一組の蛇の夫婦が高千穂の地にいたのですが、あるとき村人たちが、この夫婦が棲む野を焼いて蕎麦畑にしようとしました。
このとき。
妻がちょうどお産前だったことから、お産が終わってからにするよう村人らに頼みますが、村人らはそれを聞き入れず野に火を放ちました。
妻は腹の子とともに焼け死んでしまいました。
その後。
夫は祟り神となって村に不作を招き、高千穂の地では作物を育たなくしました。
村人らがこの蛇を水釈様として祀ったところ、ようやく祟りが収まり、豆、麦、米と、作物が順番に育つようになりました。
待つ蕎麦はノビタといわれています。
・ノビタ=育つ時期が延びた=麺が伸びた




