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333 牛の宮
牛の宮は伝説の一種で、福島県郡山市に次のような話が伝わっています。
その昔。
ある百姓は6年の年季奉公で小僧を雇ったのですが、3年後、小僧は病気で死んでしまいました。
その夜。
百姓の夢枕に小僧が現れ、「年季を3年残して死んですみません。明日、牛飼いが黒牛を引いてきますが、私はその牛になって残りの3年働きます」と言いました。
翌日。
牛飼いが黒牛を引いてきたので、百姓はその黒牛を買いました。
その黒牛は3年後に亡くなりました。
小僧が黒牛に生まれ変わって残りの年季奉公を務めたのだと、百姓は黒牛の亡骸をねんごろに葬ったといい、その塚は牛の宮と呼ばれました。
この小僧。
クロウシたかいがありました。
・クロウシ=黒牛=苦労し




