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328 烏天狗1
烏天狗は伝説上の生き物です。
これは日本各地に様々な伝承があり、装束姿で顔には烏のような嘴があって、空を自在に飛翔したといいます。
さらには剣術と神通力に秀でており、昔は都に降りてきては猛威を振るったともいわれています。
ある暑い夏の日。
木こりの男が谷川で汗を流していると、野太い声がして、男からそれほど遠くないところへ烏天狗の集団がやってきました。
男と同じで水浴びをするのか、烏天狗らは着ている装束を脱ぎ始めました。
裸の烏天狗らが谷川に入ります。
男は岩陰に身を隠し、そこから烏天狗のようすをじっとのぞき見ていました。
烏天狗らが水から出ました。
わずか1分。
烏の行水でした。
・烏の行水=お風呂に入る時間が短い人
 




