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妖怪百物語  作者: keikato
32/919

32 偽汽車

 偽汽車は幽霊機関車とも呼ばれ、むじなが化けた蒸気機関車が線路上を走るというものです。

 明治時代。

 汽車が夜遅くに走っていると、前方から汽笛が聞こえ、同じ軌道上を別の汽車が走ってきます。

 機関士が急ブレーキをかけると、その瞬間、前方の汽車は忽然と姿を消すということがたびたび発生していました。

 ある晩。

 常磐線に偽汽車が現れました。

――また狢のやつだな。

 機関士は狢の幻覚だと思い、そのまま汽車を走らせました。

 次の瞬間。

「ギャッ!」

 大きな叫び声がして偽汽車は消えました。

 翌朝。

 その辺りを調べたところ狢ではなく、汽車にはねられた猫の死体が見つかりました。

 この事故。

 汽車とぶつかってムジナわけがありません。


・ムジナ=狢=無事な

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― 新着の感想 ―
開国と文明開化の象徴でもある蒸気機関車は、明治時代の人々にとっては驚くべき存在だったと想像出来ます。 巨大で重厚な鉄塊が蒸気を吹きながら高速で駆け抜ける様は、巨大生物が突っ込んでくるかのような生命力と…
[一言] おはようございます。 常磐線ですか。いきなり馴染みのある電車が出てきてびっくりしました♪
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