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315 ミズチ
ミズチは水と関係がある竜類、また伝説上の蛇類といわれ、これは奈良時代成立の『日本書紀』に次のような話が記されています。
遠い昔。
岡山県の高梁川の淵にミズチが棲みつき、毒を吐いて道行く人を殺していました。
そこに県守という男が瓢箪を3つ浮かべ、ミズチに対し「その瓢箪を沈めてみせよ」と挑戦し、できねば斬って成敗すると挑発しました。
ミズチは鴨に化身して、水に潜って瓢箪を水中に沈めようとしましたが、瓢箪はどうやっても浮いてしまいました。
男はミズチを斬り捨て、さらに淵の底の洞穴に潜む類族をことごとく斬り払ったといいます。
このミズチ。
カモになりました。
・カモ=鴨
・鴨にする=いいもうけの対象、だましやすい相手として利用する
・『日本書紀』(奈良時代に成立した日本の歴史書)




