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妖怪百物語  作者: keikato
29/920

29 さがり1

 さがりという妖怪がいます。

 岡山県などに伝承があり、馬の首が道端の木の枝にぶら下がり、鳴き声をあげたりして、夜道を歩く者らを驚かせたといいます。

 月も風もない夜。

 ある男が提灯ちょうちんを手に、大きな屋敷のそばを通りかかったときのことでした。

 ザワザワ……。

 土塀を越して伸びた木の枝が揺れて、提灯の明かりが奇妙なものを照らし出しました。

「ぎゃっ!」

 男はおもわず尻もちをついてしまいました。

 生々しい馬の首が枝からぶら下がっていたのです。

「なまんだむ……」

 男は必死に念仏を唱えました。

 しかし……。

 念仏の法力がきかないのか、馬の首はそれからもぶらぶらと揺れ続けていました。

 このさがり。

 馬の耳に念仏でした。



・馬の耳に念仏=馬を相手にありがたい念仏を唱えても無駄

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