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282 ムィティチゴロ
ムィティチゴロという妖怪がおります。
これは鹿児島県の徳之島阿布木名に伝承があり、名前のムィティチゴロは「片目の豚」という意味で、この豚は光が当たっても影ができないので、これにより普通の豚と見分けることができたといいます。
このムィティチゴロに股の下をくぐられると、魂を抜かれて死んでしまうといわれ、たとえかろうじて助かっても金玉を損傷して、一生腑抜けになってしまうといわれています。
もしこれに出遭ってしまった場合、股をくぐられないよう、両脚を交差させながら歩いたといいます。
このムィティチゴロ。
たまに魂とまちがえて玉を抜いてしまうことがありました。
「わあー、なんで玉なんやー」
「わあー、タマタマやー」
・タマタマ=玉玉=たまたま(偶然)
・腑抜け=意気地がない




