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277 化け杉
化け杉という妖怪がおります。
これは和歌山県の各地に次のような話が伝わっています。
古びた杉の大木は何にでも化けることができ、この杉の木のそばを男が通ると美女に、女が通ると若い男に化けて声をかけ、子供が通ると和尚に化けて一緒に遊んだりしたといいます。
その昔。
杉の大木のそばを通りかかった子供たちに、毬を持った和尚さんが「遊ぼう!」と声をかけてきました。
子供たちが喜んで一緒に遊んでいると、和尚さんの姿が忽然と消えました。
子供たちが驚いて辺りを見まわすと、そばに立っていた杉の大木が、幹を揺すりながら大きな声で笑ったといいます。
この化け杉。
毎日何かしらに化けていたといいます。
化けスギでした。
・化けスギ=化け杉=化け過ぎ




