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妖怪百物語  作者: keikato
276/920

276 釣り小僧

 釣り小僧という妖怪がおります。

 これは和歌山県紀の川市に次のような話が伝わっています。

 その昔。

 ある男が紀の川の上流でふな釣りをしていると、そこへ5、6歳の子供がそばに寄ってきました。

 男が釣ったおけの鮒を見せると、子供は嬉しそうに指を折ってその鮒を数え、食い入るように桶の中の鮒を見ていました。

 子供はしばらく桶の鮒を見ていましたが、そのうち頬に長いヒゲがぴょんと突き出しました。

――こいつは狐か狸が化けたものでは?

 男はとっさに釣り竿を振り下ろしました。

 すると子供は一瞬で目の前から消え、同時に鮒を入れておいた桶も消えていたといいます。

 この釣り小僧。

 釣られた鮒を放ってオケナカッタのでした。


・オケナカッタ=桶なかった=おけなかった

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