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妖怪百物語  作者: keikato
270/921

270 朧車

 朧車おぼろぐるまという妖怪がおります。

 江戸時代中期、鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』にあり、牛車の前面に巨大な顔と、おぼろげな輪郭で半透明の体が描かれています。

 ある朧月夜の晩。

 朧車は辻角でじっと息をひそめ、獲物の人間がやってくるのを待っていました。

 やがて流れる黒雲に月がおおわれ、あたりがにわかに闇に包まれてゆきます。

 ボコッ!

 朧車は頭を殴られてひっくり返りました。

 背後には車争いかたき輪入道わにゅうどう片輪車かたわぐるまがニタニタと笑いながら立っていました。

「オレたちの邪魔をするんじゃねえよ」

「闇夜は気をつけることね」

 この朧車。

 あちこち傷ついてオンボログルマになりました。


・オンボログルマ=朧車=オンボロ車

・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)

・『今昔百鬼拾遺』(こんじゃくひゃっきしゅうい)


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