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妖怪百物語  作者: keikato
269/921

269 火前坊

 火前坊かぜんぼうという妖怪がおります。

 火前坊は平安時代の頃、当時の葬送地であった京都の鳥部山に現れたといわれています。

 その正体は、焚死往生ふんしおうじょうを願って焼身自殺を計るも、現世への未練のために儀式に反してしまい、極楽往生できなかった僧たちの亡霊だといわれています。

 その昔。

 ある火前坊は、焚死往生のあと幾度となく道に迷いながらも、ついに極楽浄土の入り口にたどり着きました。

――やっと往生が……。

 火前坊は胸を大きく膨らませ、極楽の門戸を叩きました。

 極楽の門番が顔を出します。

「帰れ、火前坊は入れん!」

 門番は冷たく言い放って門を閉ざしました。

 この火前坊。

 極楽を前にして立ち往生しました。


・立ち往生=焚死往生

・焚死往生=自らの身体に火を放つことで極楽浄土へ往生


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― 新着の感想 ―
[一言] とおせんぼう と言う言葉が不意に浮かびました 弁慶の立ち往生 が有名ですが 往生とは仏教用語でしょうか?
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