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26 雷獣1
雷獣という妖怪がおります。
東日本を中心とした各地に伝わり、山中に自然にできた穴に住んでおり、体長は約60センチほど、4本の足には鋭い爪があったといいます。
激しい雷雨の日。
雷獣たちは穴から空を見上げ、己が乗れる雲を見つけると、それに飛び移って空を飛びました。
ある雷雨の日。
その雷獣は穴から首を出し、自分が乗れるであろう雲を探していましたが、これが意外と難しく、うまく飛び移れなければ地上に落ちてしまいます。
そんなとき。
フワフワとした雲が流れてきました。
あっちの山、こっちの山から、仲間の雷獣たちが次々に空へと飛び上がっていきます。
その雷獣も穴を出て空へと飛び上がりました。
この雷獣。
フワ雷同でした。
・雷同=雷獣
・フワ雷同=フワフワ
・付和雷同=自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調する




