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256 米子鬼
米子鬼は伝説の一種です。
これは高尾山に棲んでいたという女の鬼で、口が耳まで裂け、目玉はぎょろりと見開き、多くの眷属を従え村の子供をさらったといわれ、秋田市に次のような話が伝わっています。
ある年の正月15日。
近在の村を訪れていた坂上田村麻呂が騒ぎを聞きつけ、家来を引き連れて高尾山へと向かいました。
田村麻呂たちが鬼の棲家に攻め込み、米子鬼の首を討ち取ると、主を失った鬼たちは降参し、苦手な物がタラの木だということを白状しました。
その後。
村人は鬼の魔除けとして、タラの木を二つに割って戸口に掛けるようになったといいます。
この米子鬼の眷属たち。
魔除けを見てタラタラと文句を言ったといいます。
・タラタラ=タラの木=たらたら
・坂上田村麻呂(758~811・平安時代の公卿、武官)




