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妖怪百物語  作者: keikato
249/924

249 有馬温泉の怪

 有馬温泉の怪は怪異の一種で、江戸時代中期、作者不詳の怪談集『諸国百物語』に次のような話があります。

 その昔。

 摂津国の尼が崎に住んでいた伝左衛門という男が有馬に湯治に出かけ、一人で湯に浸かっていると、そこへやってきた女に、一緒に入ってもいいかと尋ねられました。

 有馬には客の世話をする湯女ゆながいると聞いていたので、伝左衛門は了解しました。

 このあと。

 女に垢すりをしてもらったところとても上手で、女の爪が背中を搔くたびに、伝左衛門は夢見心地でうっとりしていました。

 背中の肉は徐々に減っていき、やがて骨があらわになった頃、伝左衛門の命は尽きていました。

 このような怪。

 現在の有馬温泉ではもうアリマオンセン。


・アリマオンセン=有馬温泉=ありません

・『諸国百物語』(作者不詳・1677年刊行の怪談集)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 背中の肉をどんどん削り取られていっているのに全く痛みを感じず、それどころか夢見心地のまま息絶える。 天寿を全うしたとは言い難いですが、そんな伝左衛門の最期はある意味では幸せなのかも知れませ…
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