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246 白旗の大鯰
白旗の大鯰は伝説の一種で、熊本県上益城郡甲佐町に次のような話が伝わっています。
その昔。
白旗の村に美しい女が住んでいました。
村の若者たちはこぞって言い寄りましたが相手にされず、みな諦めかけていました。
ところがそのうち、ある美男子が娘の家に通っているという噂が立ちました。
若者らはこれに嫉妬して、男が通う道に張り込んで男を半殺しにしました。
その後。
村の馬が次々と倒れ始め、若者らはあの晩のことが関係しているのではないかと現場へ行くと、血の痕が点々と池まで続いていました。
池には1匹の大鯰が死んで浮いていたといいます。
この白旗の大鯰。
ナマズっか人間の女に手を出したのがマズかったのでした。
・ナマズっか=鯰が=なまじっか
・なまじっか=中途半端に、いい加減に




