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妖怪百物語  作者: keikato
215/923

215 安宅丸

 安宅丸あたけまるは怪異の一種です。

 これは1634年、徳川家光の命により建造された御座船で、船体は全長60メートルほど。

 ただ巨大がゆえに実用性がなく、その後は江戸深川に長く係留されていました。

 ある嵐の日。

 安宅丸は「伊豆へ行こう」と泣きながら、自分が生まれた伊豆へ勝手に向かおうとしました。

 結局。

 三浦半島沖で捕まり、廃船が決まって、安宅丸は解体されてしまいました。

 その後。

 某酒屋が廃船の板を買って穴蔵のフタにすると、安宅丸の霊が女房にとり憑き、「穴蔵のフタにするとはけしからん」と文句を言いました。

 かたや憑かれた女房も負けていませんでした。

「そんなこと言われてもね、こちとらは身もフタもないんだよ」


・フタ=ふた=身もフタもない

・身も蓋もない=ものごとを率直に表現しすぎて風情も情緒も感じられない

御座船ござぶね=天皇・将軍・大名などが乗る豪華船


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― 新着の感想 ―
[一言] 生物で無い物に意志が宿るという考え方は 世界でも広くありますが(山や樹木の精霊など、太陽を神と考えるケースも多々あります) 日本は特に、八百万の神々と言われるぐらい沢山の神様がいると考えられ…
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