表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪百物語  作者: keikato
212/921

212 ぶんぶん岩

 ぶんぶん岩は怪異の一種です。

 これは島根県鹿足郡津和野町に伝承があり、かつて十九の娘が糸紡ぎの帰り道、この岩のそばで殺されたといわれています。

 その昔。

 日原町須川にあった岩のそばを通ると、「去年も十九、今年も十九、ぶうんぶうん」という女の歌声とともに、糸車をまわす音が聞こえてきました。

 ある夜。

 この岩の前を通りかかった男が、そこで女の悲しげな歌声を耳にしました。

 男は立ち止まると岩に向かって声をかけました。

「誰かいるのか?」

「はい。ここで殺された者で、今は怨念おんねんとなって迷うております」

「で、どこにいるんだ?」

「岩の中です」

「岩って?」

 女が声を荒げます。

「だから岩の中にオンネン、ブンブン」




・オンネン=怨念=おんねん(いるの)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ