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208 スウリカンコ
スウリカンコは怪火の一種です。
青森県八戸市に伝承があり、名称は「汐入村のカン子」からきているといわれています。
その昔。
八戸の汐入村にカン子という美しい娘がいました。
カン子は多くの男たちから求婚されますが、別に好きな男がいたため、すべて断っていました。
ところがあるとき、恨みに思った男たちにより、カン子は新井田川に生き埋めにされてしまいました。
それ以来。
その地では雨の夜、怪火が明滅しながら飛びまわるようになりました。
その後。
住友セメントの前身、磐城セメントの工場がカン子が埋められた場所に建てられた際、彼女を弔う祠が設置されました。
現在。
工場は跡形もなく、今ではカンコドリが鳴いているといいます。
・カンコドリ=スウリカンコ=閑古鳥
・閑古鳥が鳴く=ひっそりと静まり返っている




