表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪百物語  作者: keikato
205/920

205 うそ峠

 うそ越は天草の民俗学者、濱田隆一著『天草島民俗誌』に次のような話があります。

 その昔。

 天草諸島下島の一町田の村にうそ越という峠があり、ここは昔から物騒な所でした。

 あるとき、二人連れの男がその峠道を通っていました。

 一人がこの峠について話しました。

「昔ここで、血まみれの手が落ちてきたそうだ」

 すると「今もー」と声がして、血まみれの真っ赤な手が落ちてきました。

 二人連れはびっくりして逃げました。

 ちょっと落ち着いたところで、男がまた話します。

「ここでは血まみれの生首が落ちてきたそうだ」

 すると「今もー」と再び声がして、今度は血まみれの真っ赤な生首が転がり落ちてきました。

 このうそ越の話。

 真っ赤なウソでした。


・ウソ=うそ峠

・濱田隆一=民俗学の草分け期に活躍した民俗学者

・『天草島民俗誌』(1932刊行)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  こんな時は、 「昔ここで、血まみれの札束が落ちてきたそうだ」。  こう言ってやりたくなりますね。    ーー真っ赤なウソでは、札束は降ってこないのでしょうけどね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ