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203 麒麟
麒麟は中国の霊獣です。
儒教の経典『礼記』によれば、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物で、鳳凰、霊亀、応竜と共に四霊と称されていました。
背丈は5メートル、体は鹿、顔は龍、尾は牛、蹄は馬、毛は黄色で、背毛は5色に彩られ、身体には鱗があり、これらの大方は動物のキリンが元になったようで、それもずいぶん想像の域でありました。
1907年。
キリンは日本に初上陸、恩賜上野動物園にて飼育が始まりました。
そのとき。
園長の石川千代松氏は、このキリンと対面して大いに驚きました。
目の前のキリンには鱗がなかったのです。
目からウロコが落ちたといいます。
・ウロコ=身体には鱗
・目から鱗が落ちる=何らかのきっかけで急に分かるようになる
・『礼記』(儒教の最も基本的な経典である「経書」の一つ)
・恩賜上野動物園




