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202 白澤
白澤は中国に伝わる聖獣です。
鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』にあり、人語を解して万物に精通し、国を治める者に徳があれば姿を見せたといいます。
遠い昔。
中国の黄帝が東方巡行した折に白澤に遭いました。
このとき白澤は黄帝に11520の妖異鬼神について語り、黄帝はこれを部下に書き取らせました。
この書を『白澤図』といいます。
ここでいう妖異鬼神とは、人に災いをもたらす病魔や天災のことであり、『白澤図』にはそれらへの対処法も記されていました。
それから後の世。
『白澤図』に載った妖異鬼神らは、黄帝に妖怪として認められたことで、大威張りで人間界に現れるようになったといいます。
ズにのりました。
・ズにのる=『白澤図』に載る=大威張り
・図に乗る=調子に乗る
・『白澤図』=神獣・白沢の言葉を記録して、あらゆる鬼神を撃退する知識が書かれた書物
・鳥山石燕(とりやませきえん・1712~1788・画家)




