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171 阿久良王
阿久良王という妖怪がおります。
これは岡山県倉敷市にある喩伽山を根城にしていた妖鬼の大将で、家来たちを率いて盗みをしたり、女をさらうなどの悪事を働いていました。
あるとき。
朝廷は阿久良王を退治するため、坂上田村麻呂を喩伽山に派遣しました。
七日七晩。
激しい戦いの末に阿久良王は敗れますが、死に際にこれまでの悪事を悔い、瑜伽大権現の神使になりたいと改心しました。
阿久良王は田村麻呂に首を斬られると、金色の光を放って飛び散り、75匹の白狐となりました。
その後。
瑜伽大権現の神使として、人々を助けるようになったといわれています。
「神使の仕事はきつくない?」
「キツネー」
・キツネー=狐=きつくない?
・坂上田村麻呂=平安時代の公卿、武官




