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168 ろくろ首1
ろくろ首という妖怪がおります。
このろくろ首は首が長く伸びるものと、首が抜けて頭部が飛行するものとがあります。
前者の寝ている間に首が伸びる話は、江戸時代以降の多くの文献にあります。
抜け首の胴と頭は、もともと霊的な糸のようなものでつながっているといわれ、妖怪画家らがその糸を描いたのが、長く伸びた首に見まちがえられたからだともいわれています。
また首が抜ける系統のろくろ首は、首に凡字が1文字書かれていて、首が飛びまわっている間に本体が移動すると、元に戻れなくなるという弱点がありました。
このように運悪く元に戻れなかったろくろ首は、妖怪の仕事に戻ることができなくなります。
クビになるのでした。
・クビ=首になる=クビになる
・クビになる=仕事を解雇される
・凡字=梵語を表記するための文字




