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167 牛蒡種
牛蒡種は憑き物の一種です。
牛蒡種の名前の由来は、仏法守護の護法善神を憑依させる儀礼「護法実」とされるほか、ゴボウの種が人にくっつきやすいことからきているといわれています。
長野県、岐阜県、福井県に伝承があり、これは特定の家筋に憑くとされていますが、狐憑きや犬神のような動物霊ではなく、人間の生霊を憑かせるといわれています。
牛蒡種の元は妬みや怨みの念で、これに憑かれると頭痛や精神病を患うとされ、さらには牛蒡種の家筋の者が他家の農作物、カイコ、陶器をほめただけでも、それらの農作物やカイコがダメになったり、器物が壊れたりしました。
この牛蒡種。
ツクヅクいやな憑き物でした。
・ツクヅク=憑く=つくづく




